楽団に入って数年間、ある木造の建物が主な練習場所だった。
木造だからきっと音は当時からきっとダダ漏れ。
それでも、周りのほとんどが田んぼだったこととか、練習人数が今ほど一定人数いなかったとか
周りのみなさんが許容してくださっていたとか、きっと諸々の状況があって、
そこで練習したり合奏したりをしていた。
練習拠点が数年前に変わって、その場所での練習は数年間なかった。
その間に団員がやめてしまったり、新しい団員が入ったり、いろいろあった。
ある日、10月の練習日程の紙を見ると、数年ぶりにその場所での練習が入っていた。
それを見た時の私はすごいテンションが上がり、その場所で練習したことのある団員と
「○○だって!」と大声を出していた(笑)
…唯一少し心にひっかかったのは、その場所が先日通った時に、周りが田んぼから住宅地に
がらっと変わっていたこと。音、大丈夫なんだろうか。
音、思うほど漏れてなかったんだろうか。でも、木造だし… zzz...
ずっと心待ちにしていて、やっとその場所での練習日が来た。
建物も全然変わってない。中に入るといつになく気分が上気して、はしゃいでいる自分がいた。
ここにダレダレが座ってたなぁ。あそこの部屋でアンサンブル練習したりしたなぁ。
ここ、調子がいい時は壁も天井も共鳴してくれるけど、調子が悪い時は壁とか天井がまるで無反応なんだよなぁ。
ちょっとためらいながら一音出してみた。響いた。良かった、調子がいい!
それからはひたすら吹いていた。音はずっと響いてる。楽しくてたまらなかった。
時々団員と音漏れ大丈夫なのかな、と言いながら。前は考えもしなかった、その件。
しばらくすると近所の方がいらした。
気になっていたこと… やっぱり音は外に漏れ…ほぼまんま聞こえる状態。
近所の方はそれを伝えに来てくれた。団長が応対していた。
ずっと楽しみにしてきたその場所での練習が、その場所での最後の練習になった。
帰り道、いろんなことを思い出したり、あの頃のことを考えたりしていた。
あの頃は、ただただ吹くのが楽しかった。言葉にするとそんな結論になった。
今日いつになく上気していたのも、その感覚を思い出して気分が戻っていたからなんだろう。
ゴタゴタとかあったり、団の役割もちょっと手伝うようになるそれより前の頃。
実はあの頃も最後の方は苦情が数件来たりしていたらしいというのも、今日初めて聞いた。
あの頃はあの頃で、ただ楽しいだけじゃない思いをしていた、それを受け止めてた団員がいたんだな…
活動の拠点が変わった今も、練習日が楽しみなのは変わっていない。
やっぱり喇叭が好きだし、話したりするのも好き。前よりきっと人間関係は密だと思う。
団内での役も、なかった時よりある今の方が、リアルに肌で感じることが多くなった。
感情も、今の方が動いている。
けど・・・なんだろうね、がむしゃらっていうか吹くことが、あの頃はただただ楽しかった。
何かが変わったんだな、と、実際あの場所で吹いて、実感として思った。
あの頃場所で吹いてた頃のことはすごく懐かしい。
現に団員も、入ってくる第一声が「なつかしいね~!」
笑えるほど同じことを言って入ってきてた(笑)
あの場所でもう吹けないんだな…って思うと、どうしょうもなく切ない感覚がぎゅって来る。
今も私がこの楽団にいる、最初のきっかけだから。
けど、そのころに戻りたいかっていったら、もし選べるとしても今がいい。
懐かしさと寂しさ。気づいたことへの戸惑いと、これからのこと。
今の拠点で心置きなく練習できる環境。それを作ってくれている、場所の交渉をしてくれている団員。
あの頃と違っても今がいいと思える理由、今の周りの人たち。
うまくなりたいと思って、吹き続けてきたこの期間。いろんなことがあって、今がいい、って思えるんだろう。
十何年を一気に振り返って、ピンクレディーのサウスポーを聴きながら、それが妙にBGMとしてハマってるなとかよく分かんないことを感じながら、
次の練習は、いつもの場所で。